セキュリティ対策の必要性とは
サイバーセキュリティ対策の必要性について、予算をかけて行うのはしばらく先、という風に考えられていませんか?
会社の規模の大小や、業種問わず、今まさにサイバーセキュリティ対策を徹底することが求められています。
今回の記事では、サイバーセキュリティ対策の必要性が高まっている背景について解説します。
自社にはそれほど必要ないと思われている企業こそ、実は必要性が非常に高い、というケースが多いので、参考にしていただければ幸いです。
▶目次
1、サイバーセキュリティ対策の必要性が高まっている背景
サイバーセキュリティ対策の必要性が高まっている背景について解説します。
サイバーセキュリティ対策はどんな企業に必要?
結論から言えば、サイバーセキュリティ対策はすべての企業にとって必要性が高いといえます。
例えば、中小企業の経営者や担当者は、わざわざ中小企業をターゲットにサイバー攻撃をしかける人はいないのでは?と思われるかもしれません。しかし、事例を確認すると半数以上のサイバー攻撃が、中小企業をターゲットとしています。
その理由は以下の通りです。
- 中小企業の方が、大手企業よりもセキュリティ対策が甘く、スタッフのサイバー公的に対する意識が低いことが多い
- 中小企業は、重要な顧客データを社内のデータベースに保存していることが多い
- 中小企業も大手企業や他の中小企業とネットワークでつながっているため、踏み台にしてさらなる攻撃先に侵入することができる
こうした事情から、むしろ中小企業ほどサイバーセキュリティ対策の必要性は高い、というのが現状です。アメリカの調査会社IDCが発表したデータによると、2016年に世界中の企業でサイバーセキュリティ対策製品に費やされた金額は約8兆円になるそうです。2020年には、この金額が11兆円を上回りそうな勢いだといわれています。
なぜ、サイバー攻撃が仕掛けられるか?
サイバー攻撃が行われるのは、単なる嫌がらせ、というわけではありません。
攻撃が仕掛けられるのは、企業が持っている情報や財産が非常に価値のあるものだからです。
特に情報は、ヒト・モノ・カネに次ぐ第4の資産ともいわれるほど、近年価値が高まっています。企業の情報が盗み出された場合、こうした情報が第三者に流出(=売られる)可能性があります。
サイバー攻撃の被害にあった場合の損害
サイバー攻撃の被害にあった際の損害は計り知れません。具体的には以下のような損害が生じます。
- 経済的損失
- 企業の信用の低下
- サイバー攻撃対応に追われる
- スタッフの意欲の低下
IDやパスワードの流出によって現金が不正に引き出されたり、対策費用(データ復旧費用、データ流出のお詫びにかかる費用など)が掛かってしまったり、と経済的な損失が生じます。
顧客情報を流出させてしまった、というニュースは企業の信用やブランドイメージの低下につながります。そして、中・長期的な売り上げの低下につながる危険性があります。
サイバー攻撃に合った際には、正常な状態に復旧させ、顧客からの信用を再び得る必要があります。そのため、スタッフは通常の業務とは別に、サイバー攻撃の後処理に追われてしまうことになります。
社会的なバッシングを受けることから、スタッフの愛社精神や会社への帰属意識が薄まる恐れがあります。
以上のように、サイバー攻撃を受けた場合には、さまざまな弊害が生じます。
2、サイバー攻撃のさらなる脅威
サイバーセキュリティ対策が甘いことで生じうるサイバー攻撃の脅威は、まだ他にも存在します。
サイバー攻撃被害者が加害者になることも!
サイバー攻撃の種類によっては、サイバー攻撃の被害者がサイバー攻撃の加害者に加担してしまう可能性もあります。
ワームに代表されるサイバー攻撃(マルウェア)はコンピューターを媒介としてネットワークを通じて企業内の他のPCや取引先のPCに侵入するものがあります。
自社でセキュリティ対策を取っていなかったがために、取引先にもサイバー攻撃が侵入してしまい、損失を与えてしまう可能性があるのです。そして、その場合の損失について、損害賠償を請求される可能性もあります。
取引先がサイバーセキュリティ対策を施していたなどの理由により、サイバー攻撃の侵入が避けられた場合でも、信用の低下につながってしまうことは間違いありません。時には、取引の停止につながる恐れもあります。
サイバーセキュリティ対策には終わりがない
サイバー攻撃は、年々進化を遂げており、対応が複雑・困難なものになっています。そのため、完全にサイバー攻撃を遮断できるソフトや機器は存在しないといわれています。性能の高いセキュリティ対策ソフトを導入した場合でも、数か月後にはその対策ソフトを突破するサイバー攻撃が開発され、利用されるケースがほとんどだからです。
ですので、セキュリティ対策を何重にも施すとともに、スタッフへの教育や研修が欠かせません。サイバー攻撃の動向を学習し、対策方法を共有する必要があります。そのためには、サイバーセキュリティ対策の必要性に関しては、1度きりのものではなく、継続的なものであるといえます。
3、まとめ
この記事では、サイバーセキュリティ対策の必要性に関して、サイバー攻撃が頻繁に起こっている背景を交えて解説しています。
サイバーセキュリティの必要性は、今や企業の規模や業種を問わず求められています。むしろ、中小企業こそ、サイバーセキュリティの必要性に関する意識を高めて、対策に不足がある場合には迅速に施すことが必要です。
万が一、サイバー攻撃の被害にあってしまった場合には経済的な損失だけではなく多大な損失が生じます。また、被害者となると同時に、加害者に加担してしまうリスクもあります。サイバーセキュリティは、継続的な対策が必要です。