促進助成金の概要と受け取り方
サイバーセキュリティ対策促進助成金は、東京都に本社、あるいは支店がある企業や届け出を出している個人事業主が最大50万円受け取れる助成金です。
この記事では、サイバーセキュリティ対策促進助成金にはどのような企業や事業主が対象になるのか、受け取るためにはどのように手続きを取ればよいのかについて、わかりやすく解説いたします。
▶目次
1、サイバーセキュリティ対策促進助成金の概要とは
サイバーセキュリティ対策促進助成金の概要、対象者について、解説します。今回の助成金は東京都で実施されているものですが、東京都以外での状況について簡単に説明しています。
サイバーセキュリティ対策促進助成金とは
サイバーセキュリティ対策促進助成金とは、東京都中小企業振興公社が実施する、中小企業・個人事業主向けのサイバーセキュリティ対策に対する助成金です。
企業のシステムやIT機器を攻撃したり、データを盗み取ろうとしたりするサイバー攻撃は高度化・複雑化しており、対策費用についても高額化しています。かつては、セキュリティ対策ソフトの導入等やスタッフ個々のセキュリティ教育などである程度対応が図れていましたが、今はセキュリティ機器やシステムの導入が推奨されています。
こうした対策費の負担は特に中小企業にとっては大きな負担になります。しかし、被害にあった時の損害は計り知れないほど高額で、また金額に換算されない被害も甚大なものになります。そうした状況を踏まえて、助成金が設定されています。
助成金は標的型メール訓練の実施を対象としており、上限50万円(訓練費用の50%)、下限10万円に設定されています。
※平成29年度は、サイバーセキュリティ対策機器の導入など上限1,500万円の助成金が出されていましたが、現在(平成30年9月)は標的型メール訓練を対象とした助成金のみ対象となっています。こちらも、機嫌がその都度定められていますので、申込期限に注意してください(現時点では平成30年11月26日まで)。
サイバーセキュリティ対策促進助成金の対象者
サイバーセキュリティ対策促進助成金を受け取るためには、以下2点の受給資格が必要です。
- 登記簿謄本上、東京に本店または支店を登録している中小企業、もしくは東京で青色申告をしている個人事業主
- 東京都内で、申請時までに1年以上の事業を行っている事業者
中小企業の条件は、業態によって異なります。
業態 | 資本金 | 従業員数 |
---|---|---|
小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
その他業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
助成金の対象となる事業とは
今回助成金の対象となる事業は、標的型メール訓練のみです。
標的型メールとは、企業の取引先や内部のスタッフ、業者らしい自分物を装って、特定の企業に向けて送られる悪意のあるメールのことです。主に情報の抜き取りや不正操作を目的としています。
標的型メールの訓練メールを送付し、訓練であることの種明かしをした後で、従業員向けにアンケートを実施することが要件です。ISO27001を取得している業者による指導のみが対象となります。訓練メール後の研修にかかる費用についても助成金の対象になります。
東京都以外の事業者は受け取れないの?
サイバーセキュリティ対策促進助成金は、東京都の独自施策です。
現状、他の都道府県では実施されていないようです(平成29年度に大阪で実施の嘆願が行われるなど、全国的な要請の機運はあるので、他の地域でも将来的には実施される可能性はあります。
訓練や研修を行う前に、まずは助成金の状況を確認されることをおすすめします。
2、サイバーセキュリティ対策促進助成金の受け取り方
サイバーセキュリティ対策時促進助成金の受け取り方について紹介します。
申請
公益財団法人中小企業振興公社のホームページから、助成金の申請書を印刷して、記入後に以下の宛先に郵送します。
企画管理部 設備支援課 業務係
〒101-0025 東京都千代田区神田佐久間町1-9 東京都産業労働局秋葉原庁舎
申請は、書類審査→審議会の順で審査が行われ、承認が下りれば、交付が決定します。
実施
助成金が交付された日から指定された期日(今回の受付分は平成31年度2月28日)までに、事業を実施します。
そして、指定された期日(今回の分は平成31年3月14日)までに完了報告を行います。
請求
助成金対象者が請求を行います。
3、まとめ
この記事では、東京都の中小企業を対象としたサイバーセキュリティ対策促進助成金の概要と申請方法について解説しています。
サイバーセキュリティ対策促進時助成金は、2018年9月現在は標的型メールの訓練に対してのみを対象として実施されています。また、実施されているのは、東京都のみで対象となるのは中小企業のみです。
標的型メールに攻撃をされた場合の被害の大きさを考えると、対象者はぜひ、助成金を活用して対策を進めるようにしましょう。上限50万円(50%まで)が助成されます。助成金の申請、受け取り方法についても記載していますので参考にしてください。