最新のサイバーセキュリティ対策とは
インターネットやコンピューターシステムを利用して、オフィスのコンピューターやネットワークに侵入し、データを抜き取ったり悪用したりする行為のことをサイバー攻撃といいます。サイバー攻撃に被害にあった場合、計り知れない損害が生じるため、近年ではサイバーセキュリティ対策の重要性が叫ばれています。
サイバー攻撃が複雑化、高度化するにつれて、サイバーセキュリティ対策の重要性も増しており、また必要とされる対策も多様化しています。今回の記事では、多様化するサイバー攻撃に対応するためのサイバーセキュリティ対策とはどのようなものかについて解説します。
▶目次
1、代表的なサイバー攻撃とは
サイバーセキュリティ対策とは何かを知るためには、まず、サイバー攻撃とはどのようなものかについて知る必要があります。代表的なサイバー攻撃を紹介します。
標的型攻撃
標的型攻撃とは、近年のサイバー攻撃で最も被害が深刻化し、重大な問題となっているサイバー攻撃です。
企業や官公庁など特定の組織のスタッフに向けて、取引先や内部のスタッフに成りすましウイルスを添付したメールを送信する、といった手法が代表的です。手口は巧妙化しており、明らかに不特定多数にばらまかれたウイルスメールではなく、一見スタッフが日常業務のやり取りと間違ってついファイルを開いてしまうメールの文面が作成されるケースが増えています。
また、特定の企業・団体をターゲットにしているため、攻撃の目標が定まっている可能性が高く、被害にあった際の損害額も膨大なものとなりがちです。
不正アクセス
外部から社内のデータにアクセスし、機密情報や顧客情報などのデータを抜き取ったり改ざんしたりするサイバー攻撃がなりすましや不正アクセスです。
不正アクセスにはさまざまな手法があります。
- プログラムによってデータベースに侵入し、IDやパスワードを不正取得するもの
- 従業員や退職済の従業員からIDやパスワードを聞き出して、不正利用する方法
なりすまし
本人にしか取得しえない情報を取得するために、フェイスブックやツイッターなどを本人になりすまして作成し活動することをなりすまし(スプーフィング)といいます。個人をターゲットとした攻撃が主流ですが、顧客に成りすまして金融機関などのオンラインサービスにログインして現金を取得したり、さらなる機微な情報を引き出したりする活動が行われます。
フィッシング詐欺
フィッシング詐欺とは、金融機関などからのメールを装って、ダミーのID・パスワード変更手続きの案内をすることで、現在のパスワードやIDを抜き取ろうとするサイバー攻撃です。
フィッシング詐欺にあった場合には、金融機関やクレジットカードのID、パスワードという極めて重要なデータが流出してしまい、即時現金が引き出されてしまう可能性があります。
マルウェア攻撃
企業の情報をソフトのプログラムによって不正に抜き取ったり、破壊したりする悪意のある攻撃をするのがマルウェア攻撃です。
マルウェア攻撃には、以下のものがあります。
- コンピューターウイルス
- トロイの木馬
- ワーム
- ランサムウェア
コンピューターの内部に侵入し、本来のプログラムとは異なる動作をするように働きかけるのがコンピューターウイルスです。
一見、便利なアプリやソフトウェアに見せかけて、実はバックグラウンドで情報を抜き取ったり、コンピューターに攻撃を仕掛けたりするのがトロイの木馬です。
コンピューターに感染した後、ネットワークを通じて他のPCにも感染するタイプのプログラムです。
突然にコンピューターが操作不能になり、復旧のために金銭を要求するのがランサム(身代金)ウェアです。指定されたとおりに金銭を支払っても復旧する保証はなく、PCが復旧不可になってしまうケースもあります。
2、サイバーセキュリティ対策とは
企業・団体が行うべきサイバー攻撃対策とはどのようなものかについて紹介します。
敵背s綱サイバー攻撃対策を取らなければ、被害が甚大なものとなり、企業の存続を揺るがしかねない問題になってしまうこともあります。
サイバーセキュリティの入口、出口の対策
サイバー攻撃対策は、入口対策だけではなく、出口対策が重要だといわれます。入口対策とは、サイバー攻撃を社内に侵入させないための対策です。出口対策とは、万が一サイバー攻撃が親友しても被害を最小限に食い止められるよう、情報を外に流出させない、コンピューターの稼働状況を明確にしておく、といった対策です。
それぞれ、以下のような対策を講じることが可能です。
- 入口対策
- 出口対策
アンチウイルスソフトを導入する
ファイアーウォール、IPSなどで攻撃を食い止める
コンピューターの状態を最新に保ち、ソフトについても定期的にアップデートを行う
IDやパスワードを定期的に変更する
顧客情報や機密情報については、必要に応じてアクセス権を設定する
操作ログを保存する
不審な動きのプログラムを検知するサンドボックス型の標的型攻撃対策を講じる
データの内部まで確認できるWAF(Webアプリケーションファイアーウォール)を設置する
セキュリティ攻撃は、日々進化し、新たな種類の攻撃が登場しています。特定の攻撃に対して完璧な防御策を講じたところで、防御網をすり抜ける新たなサイバー攻撃が仕掛けられるのが通常となっています。可能な限り防御を多層化し、未知なる攻撃が仕掛けられても対処可能にしておくことが最新のセキュリティ対策事情です。
内部対策
入口と出口のセキュリティ対策を万全にしても、万全とは言えません。内部からの人的ミスや悪意あるスタッフによる情報流出の危険性があるからです。
主な内部対策としては、以下の対策が考えられます。
- ログ監視
- ファイル暗号化
- CSIRT
権限のないスタッフのデータベースへのアクセスへの警告を始めとした社内不正行為を未然に防ぐための対策です。
万が一、機密情報を持ち出された際に、社外のPCでは解読不能にするために暗号化を行う対策です。
社内スタッフへのセキュリティ対策に関する対策や研修、啓もうを行うためのチームをCSIRTといいます。いざ、サイバー攻撃の被害を受けた際に、被害を受けてから対策チームを講じていたのでは対応が後手に回ってしまい、被害が拡大化してしまう可能性が大きくなります。あらかじめ、対策チームを設置し、サイバー攻撃を想定して対策やスタッフへの教育を行う内部対策です。
3、まとめ
この記事では、サイバーセキュリティ対策とはどのようなものかについて、主な攻撃の種類と対策方法の観点から紹介しました。
サイバー攻撃は多様化、高度化しており、被害にあった時のダメージは甚大です。主なサイバー攻撃としては、コンピューターウイルスを始めとしたマルウェア攻撃の他に、標的型攻撃やなりすまし、フィッシング詐欺などがあります。中でも、標的型攻撃はやり口が巧妙で、近年深刻なトラブルを数多く引き起こしています。
セキュリティ対策はもはや企業存続のために必要不可欠です。入口、出口、内部対策を講じて万全の体制を整えましょう。